放射線について

 原発事故以降、放射性物質の汚染が注目されるようになりました。食生活に大きな影響を受けた人も少なくありません。当店もこの点に留意した対応を取っています。なお、こういった心配について「問題なし」とされる方も多々いらっしゃいます。業者にも多く、流通・消費上どちらの立場を取るかは個々の事業者・消費者の判断となります。もし問題なしとお考えでしたら以降の内容はご不要となりますのでお読み飛ばし頂ければと思います。

【当店のスタンス】

 県内にも避難者は多くいらっしゃいますが、当店は本人またはご家族に被爆症状を体験された方への配慮として材料選択の際の留意事項としています。該当する方々は強い恐怖感を体験されたため、食品に対する疑惑が他者と比べて敏感になっており、口にするものに常にどこかで不安を感じています。このような方々にも安心して召し上がって頂きたいと思っています(こちらも味の要素の一つと考えます)。ご家族友人でお召し上がり頂く事も考えると、対策することにより楽しく過ごして頂ける時間を作ることができると考えています。なお、こういった感覚が体験のない方には理解できない事も承知しております。

 現在の日本で完全に放射性物質を遮断することは不可能と思われますので、こちらは食品である当店の商品へのご説明に限らせて頂きます。

【対応概況】

 実質的な被爆・汚染の可能性を低くするため、製造の材料はほぼ問題のないレベルに、包装等もほぼ同じレベルで、使用液剤等は可能な範囲で汚染歴のある区域(文科省が事故半年後に行った全国計測結果に基づく)で生産・製造されたものを避けています。

 上記の例外として消毒用アルコールだけは北関東製のものしか入って来ないため代替品を探してはおりますが現状使用しております。なお、加工品については検出される指標放射性物質(放射性セシウム)は見つかっていないという事が測定される方々の通念の理解となっていることと、水を使用していないため指標放射性物質では量が推測できないトリチウムの混入の可能性も低いであろうと仮定しています。

【鶏卵について】

 鶏卵のニワトリはほぼ閉鎖環境で飼育されることが多く、飼料が問題となりますが、この問題は現在完全に解決できておりません(後述のこしかたかすてらを除く)。現在使用されている飼料は主に北海道産原料を使用している岡山水島を営業拠点とするメーカーのものですが、愛知県の飼料メーカー(原料は輸入が多めと思われます)の飼料も流通しています。関東原料の飼料も完全にないとは言えませんがほぼないと推測しています。

【加工品の原料について】

 加工品については、製造場所の他に原料の産地が問題となります。こちらはメーカーが明かしてくれるものと曖昧にされているものがあります。当店は味の追求が第一目的ですので様々な原材料を扱っておりますが、加工品で問題となるのは国産水飴です。北関東の麦芽を用いた水飴については使用前に測定を行いましたがセシウムは検出されませんでした。ただ、他核種の混入は確認することができなかったため、疑念が全くないとは言えずその水飴は(大変美味しいのですが)使用しないことに致しました。メーカーは丁寧に原料産地を教えてくれました。

 もう一つ米飴については産地が明確となりませんでした。同じような原料米を扱う製造者に別途取材した所、原料米は同県のものであったが、価格変動や作り手不足で供給が減少しており、今後は中国五県から流通させるようになるという話でした。将来的には福井から入ってくるかもしれないとの注意も頂いており、できるだけ早期に代替製品を見つける必要を認識しています。

 なお、こういった状況に完全に対応できていない事もあり、当店ではこしかたかすてらを開発致しました。こちらの商品は国産材料を使用する性格から原材料の追跡も行い、中四国と九州、北海道の原料・材料のみを使用しています。放射性物質に関してはむしろ国産である事はリスクがあるからですが、一方輸入食品には貿易用の農薬や遺伝子組み換えなどの問題もあり、双方の問題に対応するために作成した商品です。詳しくは生活環境物質についてをお読み下さい。

【流通について】

 空間線量はネット上で見ることができますが、県内でも放射線量の高い地域があります。一つは原子力燃料由来、もう一つは原発事故由来の放射性物質が環境中に多い地域です。文科省が原発事故半年後に発表した全国の測定データによると、同県でも自衛隊・消防・警察などが出動し被災地よりがれきを持ち帰った地域では顕著に上昇が確認されました。例えば鶏卵につきましては、こういった経路を通って流通してくるパッケージがあります。たいへん美味しい鶏卵がございますがそういった製品については入荷を停止しました。理由は食品自体というよりも包装などに付着してくる放射性物質で工場に汚染が蓄積されることで結果的に商品が汚染されることを防ぐためです。

【包装資材について】

 紙・フィルム・袋等は県内・関西で製造されたものを使用しています。ただ、和紙については原料が明かされていないため、現在調査中です(こしかたかすてらは地元の和紙を使用しています)。現在は加工材となっているため汚染物質は残留していないと予想されますが、完全に確認は取れておりません。

 以上の取り組みを行うことで、無造作に販売されている食品に比べると安全性の高い食品となっていると思われます。

 ただ、資材・材料共に景気悪化の影響で、特に地方の良心的な(得てして効率も良くない)製造者・生産者の廃業が相次いでおり、安全な材料資材の確保は年々難しくなってきています。和紙も地元産のものを長く使用していましたが、現在廃業してしまい、安全性の調査が課題となっています。

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